普段使用している基礎化粧品はどのような成分が含まれているか気になって調べながら購入する方もいるようです。
その中でも近年注目されているのが「グリセリンフリー」の商品。
グリセリンはなんとなくうるおい成分という認識がある中で肌に合わないという方もいらっしゃいます。
こちらの記事では、グリセリンとはそもそもなんなのか、グリセリンフリーの商品が注目されている理由、使用時の注意点などをお伝えします。
おすすめ商品も3つご紹介しているのでチェックしてみてください。
グリセリンフリー乳液を選ぶ前に!グリセリンって何?
グリセリンは植物油などから得られる多価アルコールで、水分を抱え込む力にすぐれています。
人の角質層にも存在するため親和性が高く、低刺激で使いやすい保湿剤として長年活躍してきました。
一方で高濃度だと水分を奪い取り、ベタつきや乾燥を同時に招くこともあり、最近はグリセリンフリーという選択肢も注目されています。
ここでは特性を理解するための観点を五つに絞り、要点と補足をセットで確認しましょう。
由来がクリアで安心
植物油を分解する工程で得られるため、原料のトレースがしやすいです。
体内の保湿機構と似た働きを持ち、刺激報告は少なめ。
敏感肌でも取り入れやすいと言われていますが、無添加処方だとさらにハードルが下がります。
香料や着色料を極力カットした製品なら負担感を抑えられます。
水分保持は濃度がカギ
3〜10%前後の配合であれば角層に穏やかな潤いをキープ。
15%を超えると逆に肌内部の水分を引き寄せ、つっぱりを感じるケースがあります。
手作りコスメを試す際は必ず濃度計算を行いましょう。
市販品でも濃厚タイプは成分表示をチェックして選ぶと安心です。
質感と被膜の働き
粘度があるため、とろみ膜を形成してしっとり感を長続きさせます。
ただし好みが分かれやすく、重さが苦手ならさっぱりテクスチャの乳液が快適。
テスターやミニサイズで試すと失敗を防げます。
季節や気温に応じて塗布量を調整するとベタつきを抑えられます。
ほのかな温感でケア効率アップ
水と混ざる際に軽く発熱し、毛穴がゆるむサポートに。
美容成分の浸透や汚れ落ちが期待でき、マッサージ用途にも適しています。
ただし敏感肌には刺激になる場合があるので注意。
温感度合いは商品ごとに差が大きいため口コミも参考にしましょう。
脂性肌でも乾かさない工夫
皮脂が多いからといって保湿ゼロは逆効果。
水分不足が原因で油分過多になるパターンもあります。
Tゾーンだけ薄く塗るなど部分使いでバランス調整を。
合わないと感じたらグリセリンフリーへ切り替えて検証すると◎。
グリセリンの特徴を押さえておくと、自分に合う乳液選びの失敗がぐっと減ります。
次は「グリセリンフリー乳液とは?」をわかりやすく深掘りしていきましょう。
グリセリンフリー乳液とは?注目される理由を解説
グリセリンは長年スキンケアに使われてきた、なじみのある保湿成分です。
それなのに、最近では「グリセリンが入っていない」乳液が注目を集めています。
これは、肌タイプや悩みに合わせて、スキンケア成分を見直す人が増えてきたことが背景にあります。
まず、グリセリンフリーの乳液とは何かというと、名前のとおり「グリセリンを含まない乳液」のこと。
とくに脂性肌やニキビに悩む方を中心に、さっぱり感や使用後の軽さを求める傾向があるようです。
実はある保湿剤テストでは、グリセリンを含む環境下で肌にいる菌が増えやすくなったという結果もあったとのこと。[グリセリンでニキビが増える?|(株)サティス製薬]
もちろんこのデータだけで一概に「グリセリンが悪い」と決めることはできませんが、肌状態によっては、避けたほうが快適に過ごせる人もいるということは知っておいて損はありません。
ただしアクネ菌(にきびのもとになる常在菌)は、通常の皮膚環境にもともと存在するもので、
悪者というわけではなく、肌のうるおいやpHを保つという働きもしています。
つまり、「アクネ菌が増える=即トラブル」ではなく、毛穴の詰まりなど、他の要因と組み合わさった時に問題になるケースが多いのです。
それを踏まえたうえで、「今の肌にグリセリンが合っていないかも」と感じた人が、グリセリンフリーの乳液に注目するようになったと考えられます。
以下に、注目される理由を5つのポイントで整理しておきます。
ベタつきにくくさっぱり使える
皮脂が多いと感じる人や、夏場に使用感が重く感じる人に向いています。
使用後のヌルつきが苦手な方にも取り入れやすい処方です。
乳液特有の膜感が苦手な場合は、グリセリンフリーだと軽く感じることがあります。
毎日続けるスキンケアだからこそ、使用感の好みは大事なポイントです。
ニキビ肌に向いているケースがある
環境によってアクネ菌が活発になると、トラブルにつながる場合があります。
グリセリンを避けることで、肌のバランスが安定しやすいと感じる方もいます。
実際にグリセリンを減らしてニキビが落ち着いたという声も一部あります。
ただしすべての人に当てはまるとは限らないため、自分の肌で試すことが大切です。
使用後のテカリを抑えやすい
グリセリンは保湿効果が高い反面、皮脂と混ざるとテカリやすいこともあります。
グリセリンフリーのアイテムなら、油分の多さを感じにくくなることがあります。
とくにおでこやTゾーンのメイク崩れ対策として活用されやすいです。
朝のスキンケアで使うことで、ファンデーションのヨレ防止にも役立ちます。
手作り化粧品や成分重視の人にも人気
グリセリンの代わりにプロパンジオールなど別の保湿剤を使う人もいます。
成分を見て選ぶ習慣がある人にとって、選択肢の一つとして支持されています。
最近はシンプル処方やオーガニック系の製品でもグリセリンフリーが増えています。
肌トラブルの原因を一つずつ探るうえで、切り替えやすいタイプといえます。
日中の快適さを保ちやすい
ベタつきやすい気候や環境下では、軽めの使用感が助けになります。
仕事中や外出時の肌ストレスが軽減されると感じる方もいます。
とくにインナードライ気味の方には相性がいい場合もあります。
テスト使用で肌の反応を見るのが一番安心です。
このように、グリセリンフリーの乳液は、選ぶ理由が人それぞれにあります。
グリセリンフリー乳液を使用する際の注意点
スキンケア成分としてよく使われるグリセリンをあえて外したグリセリンフリーのアイテムは、脂性肌やベタつきが気になる人にとって注目の選択肢です。
一方で、グリセリンにはもともと保湿力が高く、低刺激で使いやすいという特徴もあります。
そのため、グリセリンを避けたことでかえって肌が乾燥しやすくなったり、使用感に違和感を感じることもあるのが正直なところ。
また、グリセリンは比較的コストが安く、化粧品開発の現場では品質と価格のバランスを取るうえでも便利な成分とされています。
同じ保湿力を別の成分で代替しようとすると、コストが上がってしまったり、乳液のなじみ方がやや物足りなく感じる場合も。
だからこそ、グリセリンフリーを使う場合は、自分の肌に合っているかどうかを意識しながら使うことが大切です。
特に以下のような肌質の方は、ちょっとした注意をしておくと失敗を防げます。
乾燥しやすい肌にはサポート成分をセットでグリセリンを抜くと保湿力が物足りなくなることがあります。
そのため、水分を抱える働きを持つ成分が入っているかが重要になります。
植物性オイルやセラミド類など、うるおいを守る成分に注目して選びましょう。
肌の乾きを感じたら、重ね使いできる保湿アイテムで補うのも一つの手です。
成分に敏感な人は配合バランスを見極めて
敏感肌の方は、刺激が少ないかどうかだけでなく成分の組み合わせにも気を配りたいところです。
一見やさしそうでも、保湿成分が不足すると肌が乾きやすくなることもあります。
添加物の少ない処方や、肌負担が少ないサポート成分があると安心です。
こちらの記事で紹介した製品は肌に優しいと好評です
→乾燥による肌荒れを防ぐ!キュレルで始める敏感肌向け保湿ケアの基本
まずは少量で試し、数日様子を見てから本格的に使うのが安全です。
ベタつきが気になる方には相性良し
皮脂分泌が盛んな肌には、さっぱり感のある仕上がりが心地よい場合があります。
グリセリンを外したタイプの乳液は、軽いテクスチャが特徴的です。
皮脂の多い部分だけに使うなど、パーツごとに使い分ける方法もおすすめです。
肌の変化にあわせて、季節ごとに使用量を調整するのも効果的です。
紫外線の強さによってスキンケアを変えている方もいて、UVチェッカーを活用する方もいるそうです。
詳しくはこちらの記事から→見逃しがちな紫外線をチェック!UVチェッカー活用で始める肌守り習慣
価格や使い心地は事前チェックがカギ
フリー処方の商品は、代替成分や独自処方でコストがかさむ傾向もあります。
さらに、一般的な乳液よりも塗り広げにくい・うるおいの持続力が弱いと感じる場合も。
テクスチャや伸びの良さが自分の好みに合うか、必ず確認しておきましょう。
肌に合わなかった場合のことも考えて、返品保証やトライアル商品があると安心です。
また、「肌に合ってないんじゃないか…」と感じるかもしれませんが、好転反応の場合もあるのでこちらも参考にしただ気たら幸いです。
→【初心者向け】スキンケアで起こる好転反応の見分け方!最短3日!
配合されている保湿成分の質も大事
グリセリンが不使用でも、保湿効果を担う他の成分がしっかり入っているかが鍵です。
プロパンジオールやアミノ酸、糖類系の保湿剤などがバランスよく入っているものを選びましょう。
ちなみにプロパンジオールは、トウモロコシなど植物由来の原料から作られる保湿成分で、グリセリンと似た保水力がありながら、軽やかな使用感が特徴です。
パッケージだけで判断せず、成分表を見て自分で比較できるようにしておくと安心です。
肌が乾きやすいと感じたら、朝晩の使用量を見直すのもおすすめです。
おすすめ乳液のグリセリンフリータイプ3選
「乳液はベタつくから苦手…」そんな人にこそ試してほしいのがグリセリンフリー乳液。
ここでは、手に入りやすくて肌にやさしいグリセリンフリータイプの乳液を3つ紹介します。
成分もシンプルで、敏感肌やニキビができやすい人にもおすすめです。
松山油脂 Mマークシリーズ・アミノ酸保湿ローション
顔だけじゃなく全身にも使える、シンプルでやさしい処方の乳液
保湿成分にアミノ酸を8種類も配合し、肌のうるおいをサポート
このローションは、性別や年齢を問わず、誰でも使えるやさしさが魅力。
パルミトレイン酸が豊富なマカデミアナッツ油を使っており、肌なじみも抜群です。
角質層からの水分蒸発を防ぎ、肌のうるおいバリアをキープします。
もちろん、グリセリンは不使用。パラベンや香料も無添加で、肌への負担が少ないです。
ユゼ 無添加植物性乳液
湯瀬温泉水をベースにした贅沢な乳液
グリセリンの代わりにトレハロースや植物油で保湿力をプラス
お肌が敏感な人にも使いやすく、温泉水のちからでうるおいを守ります。
成分に「ステアリン酸グリセリル(SE)」とありますが、これは乳化剤であり、グリセリンそのものではありません。
また、保湿成分として入っているBG(ブチレングリコール)やペンチレングリコールも、グリセリンとは別物です。
使い心地は軽やかで、ふわっとしたしっとり感。毎日使っても負担が少ないのがポイントです。
カネボウ SUISAI(スイサイ)エマルジョン I(さっぱり)
テカリやベタつきが気になる人にぴったりのさっぱりタイプ乳液
発酵成分とヒアルロン酸配合で、軽さと保湿のバランスが◎
この乳液は、肌の水分と油分のバランスを整えたい人にぴったり。
豆乳発酵エキスやセイヨウナシ発酵エキスなど、肌にやさしい発酵成分がうるおいをチャージします。
グリセリンフリーでありながら、肌のつるすべ感がしっかり出るので、脂性肌の方にもおすすめです。
スイサイシリーズの中でも「Ⅰ(さっぱり)」は軽やかな使い心地で人気。
このように、グリセリンフリーの乳液にも優秀なものはたくさんあります。
それぞれの使用感や成分の特徴を比較しながら、自分にぴったりの1本を選んでみてくださいね。
グリセリンフリーの乳液で健やかなスキンケアを
今回はグリセリンフリーの乳液についてご紹介しました。
ニキビや肌荒れの原因はもしかしたらグリセリンが自分の肌と合ってない可能性も考えられます。
毎日のスキンケアで普段使っているものが「なんとなく合わない…」そう感じることがあれば、一度グリセリンフリーをチェックしてみてはいかがでしょうか?